シーズンスタートの準備
前回のブログを更新して、早1ヶ月以上が過ぎてしまいました。
例年、11月の下旬から奥原地区の牡蠣販売はスタートするのですが、10月に入り作業が進むにつれてブログを更新する時間がなくなってしまい、気がついたらあっという間に11月です。
今年は将来に向けての様々な試みを遂行しておりますので、オフシーズンも仕事はてんこ盛り。
滅菌海水に浸すプールも増設し、蓄養設備の強化も行ってきました。
すぐに結果が出ることもありますが、これから長い時間をかけてテスト、トライしながらより良い奥原プレミアムを皆様にお届けできるよう準備を進めていますので、どうか御期待下さい。
肝心の今年の初出荷の日程なのですが、七尾港に隣する「食彩市場」で毎年11月23日に「牡蠣祭り」というイベントが行われ、この日が奥原地区の牡蠣出荷の合図となっていたようです。
今年は残念ながら昨年に引き続き中止ということで、奥原地区の季節を告げる狼煙は、当社直営のオイスターガレージ389のオープンということになりそうです。
今年は11月の早い時期に替わりのイベントがあるようですので、ご興味のある方はチェックして見てください。
もちろん、牡蠣の出荷はその前から始まるのですが、9月中旬から10月の水温が高かったことが起因し、牡蠣の身が十分に入っていない状況なので、23日の皮切りに関しても手放しで喜べない感じなのです。
前回のブログで、今年は豊漁と書かせて頂いたのは、七尾湾西湾で養殖される牡蠣の産卵状況、稚貝の育成状況が良かったことと、夏を過ぎた後の生存率が高かったことに起因します。
夏の高温期を過ごした牡蠣は、産卵の疲れもあり、場合によっては大量死もありえる、牡蠣養殖の中で最も心配な季節なのです。
今年の変死率は例年の半分以下でしたので、前回は豊漁という表現でシーズンを占ったわけですが、牡蠣は産卵直後のポストシーズンを過ぎ、元気が出てきたところで今度は厳しい寒さを乗り越えるために栄養を蓄え、これから水温の低下と共に実入りが進んで行くのですが、今日の時点でも水温が18℃を超えている状況ですから実入りが思うように進んでいません。
こうやって画像で見ると、なかなか良い実入りに見えるのですが、少し時間が経過したり、火を通すと身が縮んでしまい、あの芳醇な牡蠣とは程遠い感じです。
奥原プレミアムを一度でも経験したことのある方なら、その差を感じられると思いますが、少なくとも瀬上水産が求めているクオリティには、まだまだです。
とは言いながら、日を追うごとに進歩はしていますので、あとは寒い日が続き、水温が下がるのを待つのみ。
これからそのような温度変化、潮の変化でみるみる牡蠣が成長して行く様が楽しみです。
同じ七尾湾で牡蠣養殖業を営む方の中には、すでに出荷されているところも少なくなく、やはり旬を求める人々の熱いリクエストには答えざるを得ないと言ったところだと思います。
海外のオイスターバーで出される生牡蠣を考えて見ると、日本の牡蠣のように身が詰まっていなくても(季節によりますが、実は身が詰まっていないほうが牡蠣独特の味が濃い傾向にあります)牡蠣を楽しむ食習慣もありますので、今後はボジョレーの時期に楽しめる牡蠣や食べ方も研究し、より早い時期に皆様にご提供できるよう精進して参ります。
ありがたいことに、ほぼ毎日に渡り「牡蠣の出荷はいつからできる?」というお問い合わせも頂き、明日にでも出荷したい気持ちではあるのですが、「奥原プレミアム」という能登最高峰のクオリティをご堪能頂けるには、もう少しの辛抱です。
今年はオンラインでも新しいセットメニューをご用意したり、様々な準備を進めて参りますので、どうかお楽しみに!
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